こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。
・おっさんでもAmazonで本が売れる!
・KDP(セルフパブリッシング)作者向けの体験談
・ふたたび小説を書きあぐねている人のための本
つんどく速報ライター☆イマガワです。
ざっくり言うと
・おっさんでもAmazonで本が売れる!
・KDP(セルフパブリッシング)作者向けの体験談
・ふたたび小説を書きあぐねている人のための本
俺の電子書籍が売れないのは、どう考えてもおまえらが悪い。 [Kindle版]
あおたけふみ (著)
出版: めきし粉書房; 四版版 (2014/5/3)
果敢に挑む表現者と電子書籍との関係についての濃い話。 読んでもあまり役に立たない話を詰め込んで、それでいて心の為になる無駄に熱い情熱。
電子書籍業界に翻弄されながら、「本を作って売るという事」について考えるおっさんの再生の物語です。
これから電子書籍を読もうとする人はもちろん、日々の生活に追われて創作の情熱を失ってしまった大人の人や、次世代のクリエーターの方に読んで貰いたい作品。
※製品版は、タテ書きです。下記プレビューはPC向けです。
『KDPノウハウ本』ラッシュ
KDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)について語った本━━いわゆるKDPノウハウ本が、Kindleストアにおいて多く販売されています。その数、30タイトル以上。
じつをいうと、"KDPノウハウ本の著者"の多くは、商業デビュー経験がないKDPの利用者たちです。ベストセラー作家ではないどころか、たった100冊すら売ったことがない面々です。
なぜ、ノウハウを持っていない人が、ノウハウ本を書いて売ろうとするのでしょうか?
理由があります。かつて、日本版KDP開始後の数ヶ月間にわたって『Kindle自費出版ガイド 米アマゾンの先例から学ぶ 電子書籍の作り方』という個人出版本が、Kindleストアの売上ベストセラーランキング上位に居座り続けました。(現在は販売終了)
当時、売れていたKDP本は━━パブリックドメイン再編集本や『限界集落(ギリギリ)温泉』(鈴木みそ)、KDPノウハウ本だったのです。
ゴールドラッシュのときに多くの利益を手にしたのは、砂金鉱夫ではなく、ツルハシやジーンズの売り手でした。KDPノウハウ本の書き手たちは、それを踏襲したわけです。
良書もあります
たとえば━━『一万冊売ってわかった!電子書籍を売る方法』や『KDPノ全テ』は、Kindle総合ランキング100位以内ランクインを数週間にわたって維持した実績のあるKDP本の著者たちが書いた、役立つテクニック集です。
ほかにも、『440 Days in KDP』や『ワナビ売上げでコロッケを買う』は、派手な売上を達成したわけではないけれど、手間と時間を惜しまずに試行錯誤を重ねながら、1冊また1冊と地道に販売数を重ねていった体験談をまとめたものです。
さて、今回ご紹介する『俺の電子書籍が売れないのは、どう考えてもおまえらが悪い。』は、体験談タイプです。
一度はあきらめて、創作というアイデンティティを押し殺して生きることを選んだものの━━2012年における日本版KDP開始をきっかけにして、ものを書くよろこびを取り戻した、不屈のおっさん頑張り物語です。
これなら勝てる
本書『俺の電子書籍が売れないのは、どう考えてもおまえらが悪い。』の著者は、書き手である以前に、読書について一家言あるようです。
読んで貰うというのは、読者に時間を使って頂いたという意味もあるのですね。
下らなさが同じであれば、下らない10ページの小説よりも下らない600ページの小説の方が罪がデカいと、おっさんは思うわけなんですよ。
かのショーペン・ハウアーも「良書を読むためのただ一つのコツは悪書を読まないことである。人生とは短く、金と時間には限りがあるからだ」とおっしゃっていたと思います。
2012年秋に、日本のAmazonにおいて電子書籍販売━━Kindleストアがはじまりました。さっそく日本でも発売開始されたKindle端末を入手して、その使い勝手に感心します。
著者は大学時代に文芸サークルで活動していたこともあって、特にKDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)に注目していたようです。
試しに1冊のKDP本を買いました。すると……
「なんだこれは?」というのが一読してみたおっさんの感想です。これでお金を取って売ろうとするのかっと。
(中略)
出来の悪い学生の書きかけのレポートのような内容。全く役に立たないというか、こんなモノで金を取って良いのかっていう感じ
『俺の電子書籍が売れないのは、どう考えてもおまえらが悪い。』から引用。以下おなじ
おっさんは、さらにKDPの作品を何冊か買って見ました。いやぁ。普通はダメな本を買ってしまうと腹が立ってしまうものなのでしょうが、
なんだか、おっさんはダメな電子書籍に出会うたびに自信が出てきましたよ。これ位ならば、おっさんの書いたものでもいけるんじゃ無いのかと。
くしくも、つまらないKDP本に触発されて━━著者は、創作活動における回春を果たします。
昔とったきねづか
著者のあおたけふみさんは、大学時代に文芸サークルに所属していました。手作りで文芸同人誌を作った経験もあります。しかし、挫折がありました。
実はおっさんは何年か前に、ある決意を持って小説を書くという行為と決別したつもりであったのですな。
その時に、デジタルのデータとしてではなくて存在し触ることの出来る物質として、仕舞い込むという事をやってみようかと思ったわけであります。
おっさんこと著者は、創作という行為を封印するかのように、原稿を鍵の掛かる机の引き出しに仕舞っていたそうです。
先の一件により情熱を取り戻しつつあった著者は、お蔵入りになっていた原稿を使って、さっそく電子書籍データの製作にとりかかりました。
とりあえず、短編小説集をKindleストアで販売したところ━━2ヶ月で100部以上も売れたそうです。
管理画面の売り上げの統計数値を眺めながら、再び小説を書きたいという欲求が芽生えていくのを感じました。
書くべき話は、実は幾つかあるような気がしています。
おっさんは、ノートにボールペンで、思いつくままに走り書きをし始めていきました。原発災害に巻き込まれた猫と人間のお話で
ふたたび創作意欲に駆り立てられた瞬間です。のちに、新作の書き下ろし小説を発表しています。
猫の料簡 [Kindle版]
あおたけふみ (著)
出版: めきし粉書房; 3版 (2013/6/12)
感想
この著者のように、日本版KDPの開始が、創作活動へ復帰するきっかけになった人は少なくありません。
編集者が直接コンタクトをとって商業出版にこぎつけた『お前たちの中に鬼がいる』や『ゴースト≠ノイズ(リダクション)』は、KDPがきっかけでお蔵入り作品が世に出たパターンです。
もちろん、Kindleストアで何かを出版すれば創作にまつわる承認欲求やつらいこと悲しい事が全部解決するわけではありませんが━━ご本人たちは楽しそうなので、とりあえずKDPは良いサービスと言えるのではないでしょうか。
Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)
- 俺の電子書籍が売れないのは、どう考えてもおまえらが悪い。
- 著者:あおたけふみ
- 価格:150円
- 読了にかかる時間:約1時間(個人差があります)
「自分語り」度 ★★★★☆(4) 「実用」度 ★★★☆☆(3) 「満足」度 ★★★★☆(4) 「総合」 ★★★★☆(4)
著者について
あおたけふみ、こと、めきし粉さん(@mexicona)。Kindleストアで好評発売中→ あおたけふみの既刊
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谷川ニコ (著)
出版: スクウェア・エニックス (2012/10/25)
あおたけふみさんの別名義
来たるべき日曜日 他6編 [Kindle版]
めきし粉 (著)
出版: めきし粉書房; 1版 (2013/1/22)
・レビュー有り
Kindleストアに舞い降りた鬼才『来たるべき日曜日 他6編』 ショートショート作品集 - つんどく速報(電子書籍の感想・レビュー)
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